2012年12月15日土曜日

同じバッシングでも耐える小沢



(日刊ゲンダイ2012/10/23)

「日本維新の会」代表の橋下徹大阪市長の出自に関する連載記事を打ち切った「週刊朝日」が、きょう(23日)発売の最新号で見開き2ページの「おわび」を掲載。編集長名で、10月26日号の緊急連載「ハシシタ 奴の本性」について、「同和地区を特定するなど極めて不適切な記述を複数掲載してしまいました」と謝った。

しかし、これで「ノーサイド」かと思いきや、橋下はしつこい。きのう(22日)夜も、ツイッターで朝日の対応にこんな不満をブチまけたのだ。

〈もうね、朝日新聞出版と週刊朝日は鬼畜集団ですよ〉

連載原稿を執筆したノンフィクション作家の佐野眞一氏に対しても、こう罵っている。

〈僕が危険人格なら、それと同様のしつこさと異常さを持っている佐野も危険人格。佐野は他人の危険人格のルーツを徹底的に暴くより、まず自分の危険人格、病的異常さのルーツを徹底的に暴いたらどうなんだ?〉

〈佐野よ、自分のケツぐらい自分で拭けるようになってから偉そうなことを言えよな〉

ま、橋下の怒りも分からないではないが、ここまでコーフンしている様子を見ていると、ついつい比較したくなるのが、「国民の生活が第一」の小沢一郎代表との違いだ。

小沢は自民党幹事長時代から20年以上、常に批判にさらされてきた。西松建設事件、陸山会事件では、検察リークに乗っかった大マスコミにあることないこと書き立てられた。名誉毀損の裁判を起こせば連戦連勝だろうが、小沢は何も文句を言わない。小沢をよく知るジャーナリストの渡辺乾介氏はこう言った。

「小沢氏に対する人物破壊は想像を絶するものだったし、人格攻撃は家族にまで及んだ。小沢氏も内心では腹に据えかねることもあったでしょう。しかし、周囲が訴えるべきだと主張しても、ジッと我慢していた。ひとつには、師匠の田中角栄氏がメディアから批判されることについて、『彼らもそれが仕事なんだから』と常々言っていたことがある。そこへ、小沢氏の自立論や改革論がからんでくる。国民が自立し、自分で判断できるようになれば、マスコミも好き放題書けなくなる。そういう国に変革していくのが自分の使命だ。マスコミと戦うのは自分ではなく、国民なのだ。そんなことを言っていましたね」

橋下が子どもっぽく見えてくる。

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