2012年7月15日日曜日

自公体制のきっかけとなった一本のビデオテープ

永田町異聞 自公体制のきっかけとなった一本のビデオテープ http://ameblo.jp/aratakyo/entry-10307582683.html 2009年07月26日(日) 自公体制のきっかけとなった一本のビデオテープ 昨日の記事で予告した、一本のビデオテープの話を始めたい。1996年3月のことだ。 新進党参院議員だった平野貞夫は、旧公明党出身の新進党衆院議員、権藤恒夫から相談を持ちかけられた。 「実は、野中幹事長代理に住専問題で妥協しろと言われた。公明党代表の藤井富雄都議らがある暴力団組長と密会しているビデオテープを持っていると・・・」 小沢一郎の知恵袋として知られる平野は「それは脅しじゃないですか」と問い返した。むろん、権藤はうなずいた。 当時の自・社・さ連立政権は、住専の不良債権処理に6850億円もの税金を投入する予算案を提出していた。 住専に巨額の融資を続けた農林中金や県信連など、農協系金融機関を救済するのが目的だった。農林族として知られる加藤紘一幹事長が暗躍したといわれる。 それに反対する新進党は国会にピケを張って抵抗した。この局面を打開するため、野中が公明・創価学会を脅す道具に使ったのがこのビデオテープだった。テープを入手したのは亀井静香だったようだ。 新進党は細川・羽田連立内閣を構成した8つの政党・会派のうち、新生党、公明党、民社党、日本新党、民主改革連合などが、連立政権崩壊後、小沢一郎を中心につくった政党だ。 公明党出身の権藤は平野に泣きついた。「ことは暴力団と公明・創価学会の問題だ。何かいい知恵を出してくれないか」 のちに野中と結んで自公連立のキーマンとなる藤井は、学会本部への右翼・暴力団の街宣車を排除するため、元警視総監の仲介で後藤組長に会ったという。 平野は著書のなかで、「この密会ビデオ問題が新進党で旧公明グループが小沢党首に離反する原因となり、野中氏による新進党解体の種に発展する」と書いている。 つまり、野中は、この密会ビデオを利用して、創価学会中枢に近づき、新進党の切り崩しにまんまと成功したのである。 野中は、公明・創価学会とのパイプを武器に、党内の実力者にのしあがっていく。その過程を少し詳しく振り返ろう。 自民党内には、加藤、野中らの「自社さ派」と、新進党との連携を模索する梶山静六、亀井静香ら「保保派」の対立があったが、96年10月の総選挙で社会、さきがけが議席数を大幅に減らし、98年には連立関係が解消された。 自社さ路線の衰退により、野中は公明を連立相手として意識した行動を強める。 野中の揺さぶりが功を奏して97年12月、新進党は解党、6つの政党に分裂し、小沢は衆参54人の自由党を立ち上げた。 野中は公明党の取り込みに着々と布石を打っていた。藤井富雄と会談して、自公連立を話題にしたのは新進党解党直前のことだった。 その後、創価学会会長、秋谷栄之助とも会談し、関西の総責任者、西口良三を含めた、池田大作の三人の腹心を掌中におさめた。 98年7月の参院選で、自民党が惨敗し橋本内閣が総辞職。小渕恵三が総裁選で梶山を退け、首相の座に就くと、野中が官房長官に指名された。 そのとき、梶山は側近にこう言ったという。 お前ら見てろよ。小渕内閣は必ず公明と組むぞ。窓口には野中がなる。あいつがみんなを牛耳るんだ。公明票がなければ当選しないから、みんな野中に頭を下げなきゃならなくなる」(魚住昭「野中広務・差別と権力」より) はからずも、それは現実となった。99年10月、公明党は連立政権に参加する。 先に自由党と自自連立を組んだのは、のちに公明党を引き入れるためのワンクッションに過ぎなかった。 公明党が自前の候補者を立てない小選挙区で、学会票が当落を左右する状況になり、自民党に対する公明・創価学会の影響力が急拡大した。 公明と連立を組んだ自民党は、学会票という麻薬に依存し、そのため、昔ながらの自民支持者の離反と、政教一致を嫌がる無党派層の反発を招いた。 それでも、悲しいかな、自民党は公明党と縁を切ることができない。 創価学会という一新興宗教団体が、自公政権への影響力を通じて日本を支配している現実は、血税を投入して定額給付金というバラマキ愚策を強行したことにもあらわれている。 池田大作名誉会長に子供扱いされた自民党トップもいる。安倍晋三だ。 平野貞夫著「平成政治20年史」によると、2006年9月、自民党総裁となった安倍晋三は首相に就任する直前、創価学会の池田大作名誉会長を極秘に訪問した。 小泉時代に悪化した日中関係修復のため、安倍は訪中を決意し、成功させるための指南を池田名誉会長に仰いだのだという。 熱心にメモを取りながら池田の話に耳を傾ける安倍のことを、名誉会長はこう評したらしい。「安倍は真面目で、何にでも使える男だ」。 一本のビデオテープが、政治の陰謀に使われ、そのあげく、宗教団体がこの国の政策決定に口を挟む現実に、やりきれなさを感じるのは筆者だけではあるまい。 元公明党委員長、矢野絢也は著書「闇の流れ」のなかで、次のように創価学会の公明党支配について書いている。 「私の在職中には公明党首脳人事は池田氏の意向で決まっていた。議員の公認も形式的に選挙委員会を開いているだけで、ほぼ100%学会が決めていた。今はもっと学会支配が強まっていると思う。太田昭宏代表も池田名誉会長に壇上から声をかけられると直立不動になるのだから、党の最高幹部ですらマインドコントロールされていることが明白である」 国民本位に考えるべき政治家が、特定の宗教家にマインドコントロールされているとすれば、もはや政治家たる資格はない。

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